僕は、社会調査的な仕事や研究を長年してきた。
延べ、数万人の調査をしてきたと思う。
もちろん、農民も居れば、会社員も、そして、18歳から70くらいまで。
また、そんなな仕事をしていたから、日常の生活でも、
この人が、そのように考え、発言する背景は何か?と考えて質問や観察をしてしまう。
話の断片からの、この人の人生は、、、、
だから、毎日、人と話したり、定期的に見かける人には、そんなことを考えてしまう。
そんななかで、日本人や日本人の社会はどこに行くのだろうか?と考えることがある。
日本人の多くは、都市に住み始めている。そして、日本を覆う、平均的な日本人感は、
東京を中心にした地域の文明で決まっている。
地方の多くでは、大学は東京に行って、そのまま東京で就職する人が多くなっている。
大阪にしても、そうだ。
彼らは、東京の文明のレールに乗ってこれからの人生を送るわけだが、、、
そこに大きな問題があると思う。
地方で生活すると、お金を稼ぐ仕事と、地域で生活するための様々な作業の両方をしなければならない。
それは、子供のころから始まる。そのなかで、学校の友達以外に多くの人に出会い、感じ、
地域の文化を理解していく。そして、成人後も地域のなかでは、自分の仕事と、地域活動の2つを
両立させなければならない。地域の活動は、実にリアルそのもので、草刈もありれば、
墓掃除、水路掃除や、修理などもある。受け継がれた各種のノウハウを受け継ぎながら、
リアルな社会生活の経験を続ける。つまり、地域社会活動を通じた、
人と人が協力しあうリアル社会に訓練されながら、参加していく。
いつも口臭の臭い人もいる、嫌いな人もいる、でも、一緒に作業をして、地域をリアルに息づかせていく。
では、都市に出た人たちは、リアル社会があるのか?
マンションに住めば、管理費で雇った管理人が、周囲の掃除をしてくれる。
一軒家に住んでも、3軒離れると、ほとんど他人でいられる。挨拶する手間も省ける。
自分の住居環境以外は、リアルな社会がない。
その一方で、SNSでつながりたいと思う。
災害があれば、ボランティアに参加して、つながりたいと思う。
子供ができれば、公園デビューしてつながりたいと思う。
一度つながれば、集団は、排他的な色合いが強くなる。
それは、集団が未熟だから。
それは、リアル社会で訓練されていなから。
でも、しばらくたつと、なんとなく居心地に、違和感を感じて、
そこで、踏みとどまれば、リアル社会の経験ができるのに、
次のコミュニティーに移っていく。
これから先の日本は、どんどん地方かた人口が減り、そして、
都市に人が、肩を寄せ合って生きるようになる。
イノベーションは、人と人との直接の接触、そして知識を競い合ってこそ、生まれる。
そのベースは、リアルな社会で訓練された、人と人との共同作業や信頼を知ってこそ
成り立つ。IQが良い人間が集まっても、IQ x IQでは、何も生まれない。
結局は、リアルな人と人の化学反応。
そのベースのリアル社会での訓練が、なされない、もしくは価値を感じない
人達が多く生まれていく日本は、本当に大丈夫なのだろうか?
ふと思う。。。
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