生産性と収益の低い農業で、いかに収益を上げるか?
農業が、置かれている環境をまとめるとかなり暗い。
下は、今後10年くらいの流れ。現状の政策などに大きな変化が無い事を前提にまとめた。
社会的な変化:財政再建が進まず、国債利率を上げない一時的な政策の連続
→ 社会補償費増大、財政悪化による国家財政の緊縮強化
→ 社会資本の維持管理コスト増大により産業・生活基盤の悪化
→ 特定の産業以外、コスト、労働生産改善が進まず空洞化
→ 国内雇用を支えてきた、労働集約的産業の雇用環境悪化
特に中小企業、IT関連、介護、一部建設業、農林水産関連産業など
→ 農村地域、中山間地域の雇用環境が急激に悪化し、
高齢化と相まって放棄地域発生
農業の顧客の変化
→ 給与者の実質所得が徐々に低下するのでより安い農産物圧力
→ 外食産業が厳しい競争をする。海外農産物の活用が進む
→ 流通業が収益維持の為、生産者の囲い込みと価格圧力を強める
行政などの変化
→ 補助金中心行政が財政難により失速
→ 農地保有に関する規制の解除が、地域営農基盤環境を悪化させる
→ 中小規模行政団体は社会保障業務が中心になり企画事業ができない
農業領域の変化
→ 高コスト型生産技術研究の限界露呈
→ 農業研究機関の統廃合と閉鎖が進む
農業経営における変化:就業人口減少、高コスト、海外食材流入の
3つの悪循環により国内生産力低下が進む
→ 農業資材・燃料費コスト増大
→ 流通コスト増
→ 低価格海外農産物の流入増大
→ 耕作放棄地の増大
→ 農業就業人口の超高齢化と減少(2013年平均68歳)
10年後に、平均年齢78歳はありえない
→ 水利設備などを含めた地域農業維持コストの増大と崩壊開始
→ 地域の雇用がなくなり、兼業農家の激減
・上記4点は、輸入米の影響も含めて、米作放棄が一気にすすみ
日本の農業の激変を引き起こす
→ これまでの高コスト型農業生産技術の限界露呈
→ 就業者/従業員の所得が、給与所得者平均に満たない経営体が99%
→ 農業関連産業の減少
→ 農協の弱体化による業界圧力の低下
→ 人口の高齢化と所得の減少、運送コストの大幅な上昇で
大規模消費地周辺以外の農業が困難になる。
→ 他産業からの参入は、コストの観点から進まない
農家家計の変化:農家の世代交代が進み都市型消費
→ 教育費などの支出増大し、若手就農者の離農動機増大
農業人材の育成:産業としての成立性を保証する人材育成は進まず
→ 人材育成の必要性は認識されても
費用負担などの問題に対して行政支援などが限定されて進まず
つまり、基本的には、従来の保護されてきた農業の感覚では、
日本では、産業としてなりたたなくなる。
また、それ以上に地域の保全が難しくなってくる地域が各地に発生する。
上記の個々の要因が、複合してvicious cycleから、抜け出せなくなる。
これを解決するための僕の取り組みが、
これからの、余る農地活用、農業従事者減少を前提、低コストとした、
労働生産性:3倍以上 x コスト:1 / 3 → 収益向上
つまり、普通の業務改善視点で考える。
これを、次の技術の組み立てで実現する。
生物学 (植物学、昆虫学、微生物学) x 低価格ロボット x 施設工学 x IT
これまでの成果
・汎用農作業支援運搬機 → ロボット実作業 & 検証中
各種工程で、運搬工数が1/2
・汎用不整地走行運搬機 → ロボット実作業 & 検証中
雑草管理工数が、1/2
・経営管理システム → 導入、機能追加中
事務作業工数 1/ 10
PDCAサイクルの実現により
生産品質向上と、購買コスト削減
・トマトハウス建設費 → 既存建設費の 1 / 3 達成
・好気性微生物を活用した、トマト連作 + IT → 4連作 実現
土壌消毒作業の削減
・害虫対応(施設) → 昆虫学 +微生物学 + ロボット + IT
早期駆除による被害最小化
農薬使用農家に比して、被害は少ない
コストは、工数換算も含め、1/4 以下
・害虫対応(露地) → 昆虫学
キュウリ、オクラ、トウガラシ、枝豆、玉ねぎ、にんにく → 被害なし
ナス → 無農薬でも、農薬使用農家と同等の被害率
・病気対応(施設) → 微生物資材を活用し、発生なし
・病気対応(露地) → きゅうり:うどん粉病対応品種の導入により発生なし
・農業資材 → インターネット購買、見積もり作業を徹底し、
農協からの購入に比べて 50 %減
・市場対応 → 無農薬栽培を訴求した、機動性の高い販売方法確立
・栽培法開発 → トマト:水耕栽培より低コストな土耕栽培を推進
土中微生物環境重視の、高畝栽培法の確立と継続的検証
最重点課題と対応
・露地栽培 除草工数削減 → ロボット開発中
露地栽培工数の20%は雑草処理という調査もある
・トマト振動受粉工数削減 → ロボット開発中
・トマト剪定作業工数削減 → ロボット開発中
・トマト収穫作業工数削減 → ロボット検証中
・トマト誘引作業工数削減 → 施設工学的改善+新規誘引器具開発中
・ロボット機能開発工数削減 → 3D プリンター導入、 モータドライバー新規開発中
・ソフト開発工数削減 → 自動プログラミングツール開発中
・ロボット製作費削減 → 機構設計力の向上
モデリングソフト改良と、3Dプリンターの活用
低価格汎用品利用、バーゲンセールおよび
安価なラジコン部品の活用促進
大変だけど、技術者としての最後の仕事として、
夢をもって、努力します。
でも、目標に対して、何をすれば、良いのか、はっきり描けるようになってきた。
peace!
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