2014年1月24日金曜日

The performance management of organization.


お詫び) 夜中に書いたので、微妙に内容がずれていますが、ご容赦ください。<(_ _)>


読者の方のコメントに「日本人は、経営に向いているのか?」というご質問

ありました。経営といっても、大変広いので、経営の基礎である、マネジメントについて、

私が過去に調査研究した内容で私の考えをご説明します。

企業は、人だし、組織全体の知的機動力を最大化させるのが、基本でしゅ。

スペースの問題があるので、断片的になりますが、お許しください。



30代後半に、「組織のパフォーマンスって何だろう?」と疑問を持つようになりました。

今から、15年位前です。

そこで、会社の提案制度を利用して、組織分析手法の開発を提案し、許可が下りたので取り組みました。

組織のパフォーマンスといっても、漠然とした言葉なので、

企業が継続的に存続を保証する唯一の方法、「顧客を創造し続ける  事」を 前提に、

これからの時代を生き抜く組織とは、「新たな知識を継続的に生み続ける組織」であると、

仮定をして、その点を中心に分析手法や、そのような組織を構築するマネジメントについて

研究する事にしました。

この研究には、大手の上場企業の経営企画部に大変な興味を持って頂き、

約100の企業で、約10,000人のアンケート、および2,000人近いインタビューを行うことができました。

調査は、回答に1時間程度かかるかなり分量の多いアンケートで行い、その結果に基づいて、

マネジメントおよび、特に知識を生み出す事に関与の高い人に直接インタビューしました。

たぶん、今は、個人情報や、企業情報のセキュリティーの観点から、これだけ大規模でかつ、

深い分析をする事は不可能だと思います。このような分析をしている経営学の

研究者もいますが、実は、これだけのデータで研究をしている研究者はいません。

私の取組を評価して頂き、MITと共同研究することができました。

実は、RDCSには、その成果が組み込まれています。



図は、組織のなかの知識を生み出すネットワークを分析した結果をまとめたものです。

手法については、今回は解説しません。

点は、人であり、線は知識を活用したり知識を生み出すネットワークです。

左は、ほとんどネットワークがなく個人単位の知識で仕事をしている組織です。

真ん中は、典型的な情報をマネジメントの手段として使っている中央集権的な組織

右は、新たな知識を生み出し続ける組織です。知的機動力の高い組織です。

調査した企業は、同業種の企業もありネットワーク力と業績の違いを比較する事もできました。

業績面でみると、明らかに右の組織が良く、利益率が格段に高くなっています。

これは、みなさんも直観的にご理解頂けると思います。

左の組織は基本的に個人の知識・経験に頼った組織です。ですから、同じ間違いを繰り返します。

設計起因による、製造段階での不具合発生に悩む組織は、左の組織です。

次に、マネジメントがどのように違うのか?

左は、明らかにマネジメントが存在しません。たとへば、業績目標は立てるけど、

PDCAが回っていない。目指すべきGoal、が定義されていないなど、ある意味野放しの状態です。

不具合が発生しても、根本原因が分からず、繰り返します。

真ん中は、ルールを重視したマネジメントがされています。しかし、ルールから逸脱する事は、

「間違い」であると、強く意識づけられています。従って、それが組織の不文律になり、

人の意思決定をサイクルを縛ります。代表的な業種でいうと、銀行、旧財閥系製造業になります。

他に、電力、電鉄などのユーティリティ関連、そして官僚、自衛隊かも。

真ん中は、既存の知識体系の上で、仕事をする組織なので、ある意味効率的かもしれません。

しかし、新たな変化が発生した時に、不文律によって拘束されている個人、そして組織は

身動きが取れなくなります。ホストコンピュータが不振になったIBMはサービスに舵を切るために、

2/3の社員を入れ替えたのは、そのような背景があるからです。日本の企業は、

そのようなダイナミックな事はできませんから、不調な状態が長く続きます。

ある大手メーカの改革の時期に、ワークスタイル変革にご協力をしたことがあります。

しかし、その企業は、大胆な改革を行い、マネジメント層を大きく入れ替えたにも関わらず

業績が低迷してしまいました。それは、企業の不文律を変える事が出来なかったからです。

私が、調査をしても、途中で、現場から「やめてくれ」といわれて、その企業ではほとんど

調査が進みませんでした。組織の不文律に触れらるのを極度に恐れたようです。

つまり、組織の成員は、改革に合意していませんでした。従って、意思決定の

よりどころになる不文律を変えらる事に、大きな抵抗を示したのです。

当然、その企業は現在、大変な状況になっています。

右の組織は、組織内部の知識、そして外部の知識を組織の目的の為に、積極的に活用します。

知的機動力の高い組織です。

その結果、知識の化学反応が起こり、新たな「知」が生まれます。このサイクルが回ると、

どのような状態が生まれるか、たぶん推測することができると思います。

業務の品質、成果が良くなります。何よりも、意思決定サイクルが早まります。

その結果、沢山の失敗もしますが、すぐにリカバリーできるので、結果的に

成員のパフォーマンスもアップし、組織全体のパフォーマンスがあがります。

この組織は、環境変化にも強く、かつ、不文律にとらわれる事はありません。

ところで、このような組織のマネジメントのポイントは、careです。

活性の高い、組織なので、一人ひとりのcareが重要になっています。

この組織の部門長にインタビューを行うと、メンバー 一人一人の能力の的確な把握と、

その弱点に対して対処が的確になされている事がわかります。

たとえば、活性の高い組織の課長は大変です。課長はどちらかというと、古い組織の体質を

曳きづっていますし、会社のマネジメント教育そのものが、不文律にとらわれている事が

多いからです。その課長をいかにフォローするのか、部門長は頭を悩ませることが多いようです。

しかし、課長が実は大切で、知的起動力を高めるマネジメントを取得すると、この組織は継続的に

続くことになります。よく企業でミドルマネジメントが大切といわれるのは、企業が段々、

変革能力を求めるようになってきたからです。このような組織を運営した部門長は、

継続調査をした結果、ほとんどの方が取締役になられています。

日本の企業が強い競争力をこれからも維持するためには、環境変化に強い、左の組織を

目指すことが重要であり、かつそのためには、ミドルマネジメントの変革能力を高める事が

大切になります。

ところで、行政組織をみると40代後半に課長になる組織が多いようです。

もちろん、キャリアは、別パスなので違いますが、一般的に。

この場合、決して組織の変革は生まれません。それより、不文律が強くなり、人を縛ります。

「課長になるには、50までいう事を聞いて頑張るしかない」「そして残り10年波風立てない」

今の豊かさを維持するためには、グローバルなビジネスで勝ち残る必要があります。

企業が変化をしようとするのを、行政が結果的に邪魔すことが、これからますます増える

かもしれません。


人の能力は、遺伝子ではなく、環境で決まることが実証されています。

左の組織から、真ん中や、右の組織に異動するとどうなるでしょう。実証された通りに

適応します。従って、組織マネジメントがいかに重要であるかが分かります。


ところで、私は、J-SOX対応のグローバルプロジェクトの責任者をしたり、グローバルな事業の

立ち上げをしてきましたが、上の3つの図は万国共通とはいかないようです。

アングロサクソン文化圏は、ほぼ成り立ちます。しかし、東アジアや、東南アジアはどうも

違うようです。


さて、読者の方からの質問、日本人は経営に向いているのか

真ん中のマネジメントには向いている。ルールベースのコツコツ業界の経営は可能。


右のマネジメントには向いていない機動力の必要な業界の経営は向いていない。

あくまでも、一般的に見てと、ご理解ください

これからの時代は、ルールが無い、あるいみジャムセッションのような

機動的な意識決定が要求されることになります。また、当然海外でも活動する必要が

あります。それには、右のマネジメントが必要になります。

構成員を見極め、穴が開かないようにCareをして、

知的機動力最大の組織をつくるマネジメント、とうぜん業績はついてきます。

日本では、人の意思決定モデルが決まるまでに、

真ん中が社会のルールであると、教え込まれます。

最悪の例は、体罰は、暴力であるのに、しつけの範囲では許されることです。

つまり、ルールを守らないと、、、、、、

小中学校の先生に、変革意識はありません。基本は教育指導要領に従って、

コピーを作る仕事です。どんなに良い先生でも、真ん中の図の不文律の

基礎を、日常的な学校の中で、教え込んでいます。

学校の先生には、グローバル化とか、グローバス視点はありません。

社会の仕組みが、真ん中のマネジメントモデルの人材を量産しています。

高校は、若干良い方ですが、大学が典型的な真ん中です。

就職するまでの、間に、右のようなマネジメント触れる事がありません。

もちろん、例外もあります。

たとえは、私見ですが、慶応大学のSFCに集まる学生は将来、右のマネジメントができる

可能性が強いです。

人の能力は、遺伝子で決まるのではなく、環境で決まることが実証されています。

日本が、今の幸せな状態を維持するためには、グローバルなビジネス環境で、

勝ち続ける必要あります。その為には、知的機動力の高い組織をマネジメントする

環境に早くから触れなければなりません。躾けは家で、学校には求めず。

学校では、未来を生きる子供たちに必要な能力が身に付くようにするべきです。

グルーバルで競争する事をしらない、おじいさん学者の教育論が、子供たちを不幸にしています。

長文ですみません。

Peaceになりますように。。。

4 件のコメント:

  1. お忙しい中,丁寧な回答をありがとうございます.感謝です.
    図は,直感的に分かりやすいです.すぐに,右の方が機動力に優れた組織だと想像できます.
    いくつか思ったことを箇条書きにします.
    ・環境は,現場の人で決める.だから,例に出された日本の企業のようにマネジメント層を入れ替えても大多数を占める社員の醸しだす環境を変えることができなかった.

    ・上の3つの図が万国共通でないというのは,国によっては左タイプではない,機動力に優れた組織が成り立つということでしょうか?
    ・左タイプではcareが重要だということですが,careする能力はさほど難しい気はしませんがどうなんですか?
    ・日本の今の幸せな状態を維持するためには,半分以上の若者をアングロサクソン社会に送り込んで(遣唐使?),知的機動力の高い組織をマネジメントする能力を身につけて帰ってきてもらうという方法しかないような気がしてきました.

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    2. frostさん、
      仕切りなおして、お答えします。
      1) 組織の不文律を壊さない限り、組織変革はできません。
      昔の意識のままです。

      2) 韓国は、真ん中のパターンで最大の力を出すようです。
      中国も同じです。
      パワーをだすだけで、機動的かどうかは分かりません。
      これは、両国の文化、そして、韓国においては兵役義務があります。
      命令は絶対の環境に2年間います。
      左タイプでない、機動的な組織もあります。ただ、一般的ではありません。
      3) Careは、一人一人を、気持ちよく働いてもらうためのここづかいです。
      「田中君、昨日の契約おめでとう!」と、部長に言われて悪い気はしません。
      IQでは、ない、EQの高さが必要です。これは、
      学習してすぐに、身に着ける事ができません。
      4) YES、
      極論ですが、そうするべきです。
      マネジメントは、無理としても、
      グルーバル基準の仕事の仕方を覚えるべきです。
      OECDなどでも、日本の生産性の低さは指摘されています。
      今の、生活の水準を守りたいなら、そうするべきです。

      以上です。

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  2. 丁寧なお答えありがとうございます.
    日本を含めて,真ん中のパターンが強いということは,失敗するとなかなか回復しにくいのですね.今後,ビジネスなどのサイクルがどんどん短くなるので,右タイプへの移行にどれだけ戸惑わないかが勝負の分かれ道ですね.EQですが,口に出さなくてもわかってもらえるという文化の影響もありますかね~.「愛してるよ,はに~」と簡単に言える文化の方がEQは高いかもです.

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